文献詳細
原典を繙く・3
Dieulafoy潰瘍(その3)—Exulceratio simplex L'intervention chirurgicale dans les hématémèses foudroyantes consécutives à l'exulcération simple de l'estomac.
著者: 島津久明1
所属機関: 1東京大学医学部第1外科
ページ範囲:P.249 - P.251
文献概要
吐血に続いて下血も起こりました.エルゴチン,氷,牛乳食が処方され,絶対安静が指示されました.しかし,10月22日の夜と10月23日の昼間に再び吐血と下血が起こり,この女性は10月25日に入院しております.あまりに大量の血液が失われたために,彼女の皮膚や粘膜は全く色を失い,脈拍数は130,体温は39°と上昇しております.300gの血漿の皮下注,エルゴチンの投与,氷嚢による冷罨法などの処置にも拘らず,新たな吐血が反覆して起こりました.危険が切迫しているのをみて,Michaux博士はこの胃出血が胃の単純性潰瘍によるものであると確信し,手術をすることを決心しております.
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