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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻3号

1985年03月発行

特集 癌のSurgical Emergencies

大腸癌イレウス,穿孔

著者: 進藤勝久1

所属機関: 1河内総合病院

ページ範囲:P.349 - P.356

文献概要

 大腸癌によつておこつた腸閉塞と腸穿孔の外科的処置について自験例を中心に検討した.その結果,閉塞14例中7例と穿孔6例中2例がstage 4以上で絶対治癒切除が不可能であつた.また,高齢やpoor riskのため人工肛門造設だけになつた者が閉塞4例,穿孔1例で,術後10日以内の死亡が閉塞2例,穿孔3例であつた.
 これらを反省してみて,緊急手術といえども術前からショックに備えた万全の準備をし,TPNや高濃度酸素吸入はもちろんのこと,術後のCVPや動脈血液ガス分析などによるコントロールも必須である.その上にたつて,適切な術式の選択をする.閉塞の場合は拡張大腸を全摘して安全な吻合を行い,穿孔の場合も広範囲切除に加えて,十分な腹腔内洗浄と腹膜清拭をするべきである.しかも,可及的短時間の一期的手術が望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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