icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻3号

1985年03月発行

文献概要

特集 癌のSurgical Emergencies

心タンポナーデ

著者: 高野照夫1 新田隆1 植田俊郎1 小坂真一1 田中啓治1 家所良夫2 桑原哲夫3

所属機関: 1日本医科大学付属病院集中治療室 2日本医科大学付属病院胸部外科 3日本医科大学付属病院第3内科

ページ範囲:P.375 - P.381

文献購入ページに移動
 悪性腫瘍は心嚢へ転移することが多く,致命的な悪性心嚢水腫(心タンポナーデ)を起こすゆえ,緊急治療が必要である.この診断には臨床症状や胸部X線写真,奇脈心電図,心プールスキャン,胸部CT等の検査法によつてなされるが,緊急の際,最も有力なのは心エコー図である.心タンポナーデの治療法としては心嚢穿刺法と剣状突起下心膜切開術がある.悪性腫瘍の場合には持続的に心嚢液が貯留するので,剣状突起下より心膜を切開しドレーンを留置する剣状突起下心膜切開術が優れた治療法である.本症は急激に進展し生命をおびやかすが,迅速・的確に診断と処置を行えば,悪性腫瘍患者の救命・延命を可能にし,かつ苦痛を除去することができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?