臨床外科40巻3号

1985年03月発行

臨床報告

AFP産生胃癌の1例

著者： 小野寺健一¹ 笹生俊一² 菅野千治³ 森昌造³

所属機関： ¹盛岡医療生協川久保病院外科 ²岩手医科大学臨床病理部門 ³岩手医科大学第1外科

ページ範囲：P.419 - P.423

はじめに
　われわれは，血清α-fetoprotein（以下，AFP）値が10,000ng/ml（測定法は断りのない限りRIA法）以上と著明な高値を示し，手術摘出標本の免疫組織化学的検索によりAFP産生胃癌と判明した症例を経験した．AFP値1,000ng/ml以上のAFP産生胃癌の本邦報告例86例を集計し，その臨床像および組織発生に関し若干の文献的考察を加えて報告する．