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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻4号

1985年04月発行

特集 急性虫垂炎の臨床

序にかえて—虫垂炎治療は腹部外科の基本 フリーアクセス

著者: 出月康夫1

所属機関: 1東京大学医学部第2外科

ページ範囲:P.462 - P.462

文献概要

 急性虫垂炎は,腹部外科の最も基本的な疾患の一つである.かつて腹部外科の代表的な疾患であつたいくつかの疾病は内科治療の進歩に伴い手術適応から外され,外科手術の治療における位置も種々の面で変動期にあるが,急性虫垂炎の治療に関しては依然として外科手術が最優先とされている.この急性虫垂炎も歴史的に見れば,独立の疾患として認識され,その本態が明らかにされたのはそう古いことではない.虫垂切除を最初に行つたのはジョージⅡ世の侍医であつたClaudius Amyandである(1736年)とされているが,それ以前はこの疾患は盲腸周囲炎(perityphlitis)として認識されていたにすぎない.盲腸周囲炎と腹膜炎に関する議論に終止符をうち,その本態が明らかにされたのは1886年Harvard大学の病理学教授Riginald Heber Fitzが"Perforating inflammation of the vermiform appendix,with special reference to its early diagnosis and treat-ment"として米国内科学会に報告して以来のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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