文献詳細
臨床研究
甲状腺未分化癌の検討
著者: 秋山高儀1 野口昌邦1 藤井久丈1 田中茂弘1 宮崎逸夫1 道岸隆敏1 利波紀久2 斉藤泰雄2 高島力3 寺畑信太郎3 松原藤継4
所属機関: 1金沢大学医学部第2外科 2金沢大学医学部核医学科 3金沢大学医学部放射線科 4金沢大学医学部中検病理部
ページ範囲:P.525 - P.529
文献概要
甲状腺未分化癌は甲状腺癌の中では頻度の低いものであるが,その予後は極めて悪く,いかなる治療も効果を示さないことが多い.しかし最近,手術療法,化学療法,放射線療法の3者併用によつて比較的良好な成績を得たとの報告も散見される状況にある1-3).また,病理組織学的には,その発生母地として先行する分化癌の存在が指摘されており4-10),分化癌の治療方針にも影響すると考えられる.今回,私どもの教室で経験した9例の甲状腺未分化癌について,診断,治療,病理組織学的所見に関し検討したので報告する.
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