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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻4号

1985年04月発行

臨床研究

インスリノーマにおける消化性潰瘍の合併と胃酸分泌

著者: 斎藤貞徳1 亀山仁一1 佐々木巌1 今村幹雄1 内藤広郎1 佐藤寿雄1

所属機関: 1東北大学医学部第1外科

ページ範囲:P.531 - P.535

文献概要

はじめに
 インスリノーマにおいては,ラ島腫瘍からインスリン過剰分泌に起因した低血糖症状が発現することは衆知するところであるが,かかる病態においては低血糖により迷走神経の興奮状態が生じているものと考えられる.これらを胃酸分泌の面からみると,本症においてはインスリン試験1)が繰り返し行われているごとき病態にあるため,迷走神経を介した胃酸分泌充進が惹起され,胃・十二指腸潰瘍が発生しやすい状態にあると推測される.しかし,Whippleら2)により本症の概念が確立されて以来,多くの報告があるにもかかわらず,本症における胃酸分泌と消化性潰瘍の合併についてはこれまでほとんど検討がなされていない.そこで,著者らは教室で経験したインスリノーマの手術症例について胃酸分泌動態,ならびに消化性潰瘍の合併頻度の面より検討を行つたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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