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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻5号

1985年05月発行

画像診断 What sign?・26

門脈内ガス

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.657 - P.657

文献概要

 前号の胆道内ガスとならんで腹部単純像にて樹枝状分岐を呈するガス像の鑑別として挙げられる門脈内ガスは表にしめすような疾患にみられることが知られている.これらは腸管壁内ガスの原因疾患とも共通していることから,腸管内圧の上昇や,虚血や潰瘍などの原因で脆弱になつた腸管壁の破綻により壁内に進入したガスが腸間膜静脈を経て門脈に至るものと考えられている.
 腹部単純像では胆道内のガスは肝門部に存在し,胆嚢内にも進展するが,門脈ガスはより末梢の門脈小分枝に分布するのが特徴である.これは胆汁の流れがhepato—fugalであるのに対し,門脈の流れがhepatopedalであることによると考えられている.門脈ガスの出現は医原性のものを除き重篤な予後を示唆していることから開腹可能な症例については迅速な外科的治療の対象になる場合が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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