文献詳細
特集 がん・画像診断の死角
胆道
著者: 二村雄次1 早川直和1 長谷川洋1 神谷順一1 磯谷正敏1 岡本勝司1 高江洲裕1 岸本秀雄1 中山隆1 塩野谷恵彦1
所属機関: 1名古屋大学医学部第1外科
ページ範囲:P.107 - P.126
文献概要
胆道の画像診断法には超音波検査(US),コンピューター断層撮影(CT)が最も非侵襲的であるために第一選択に用いられる場合が多いが,胆道癌の診断にfirst choiceにCTを行うことは少ない.USは存在診断法を画期的に発展させてきた.胆道造影法には間接造影法と直接造影法とがあるが,USの発展にともない胆道癌の診断に間接造影法が行われる頻度は減少しつつある.直接造影法には内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)と経皮経肝胆管造影(PTC)とがあるが,無黄疸例にはERCPを先に行うが,黄疸例の特に胆管炎を併発している場合にはERCPは禁忌になる場合があり,PTCから直ちに経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)を行うようになつてきた.直接胆管造影で得られた胆管像でもERCPとPTC,あるいはPTCとPTCDとでは造影能に差があり,それぞれの長所,短所のあることを念頭に置いてX線像を検討しなければならない.
しかし,直接胆管造影を相当詳細に行つても内側区域枝,尾状葉枝,外側前枝は造影されない場合が多く,ここがPTC,ERCPの死角となる.
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