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臨床研究
下腿への自家静脈バイパス術の検討—その開存に影響を与える因子について
著者: 桜井恒久1 山田育男1 太田敬1 松原純一1 塩野谷恵彦2
所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院分院外科 2名古屋大学医学部第1外科
ページ範囲:P.809 - P.814
文献購入ページに移動閉塞性動脈硬化症(以下ASOと略),およびBuer—ger病(以下TAOと略)などの慢性閉塞性動脈疾患による下肢虚血に対して,特にlimb salvageのために,膝関節をこえ,下腿の動脈へバイパス手術を行うことは,現在では多くの施設で確立された術式となつている.しかし,その成績はいまだ十分に満足すべきものとは言えず,そのバイパス路開存に影響を与える因子に関しては,多くの報告がある.
血管外科的常識に従えば,手術手技上の問題を除けば,inflowすなわち中枢側の血管病変,末梢側吻合部がおかれる下腿の動脈の病変,末梢側吻合部以下のいわゆるdistal run off,グラフト材料の良否,そして手術術式などがその重要なものであろう.
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