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臨床報告
肝嚢胞腺癌の1例
著者: 石神博昭1 山中義秀1 小川清1 山路正文1 小久保茂樹1 青柳栄一1 藤崎安明1 伊藤健次郎1
所属機関: 1成田赤十字病院外科
ページ範囲:P.835 - P.838
文献購入ページに移動孤立性非寄生虫性肝嚢胞に包括される肝嚢胞腺腫は稀な疾患であり,その発生母地は正常の胆管系とは交通を持たない異所性胆管組織であると言われているが,未だはつきりした結論は得られていない.一方,腫瘍内に良性上皮が残存している事から肝嚢胞腺腫の比較的緩慢な経過中にその壁の一部が癌化する事が主な発生原因と考えられる肝嚢胞腺癌はさらに稀なもので,現在までに全世界で約30例が報告されているに過ぎない.
最近,我々は肝左葉に発生した肝嚢胞腺癌の1例を経験し,術前に腹部CTスキャン,超音波検査,内視鏡的胆管造影,血管撮影などを行うとともに外科的に切除し得たので若干の文献的考察を加え報告する.
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