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特集 Iatrogenic Abdominal Trauma—その予防と対策
上部消化管内視鏡検査によるIatrogenic Trauma
著者: 丸山正隆1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科
ページ範囲:P.1017 - P.1024
文献購入ページに移動 上部消化管内視鏡検査に伴う偶発症として,診断的内視鏡に伴うものと内視鏡的治療に伴うものについて,発生頻度及び対策と予防法の一端を述べた.頻度的には1975年と1982年の全国集計ではそれぞれ0.032%と0.011%で,かなり減少している.しかし,1977から1982年までを年次別にみると,むしろ増加の傾向が伺われる.また,死亡率をみると,前者では0.0012%,後者では0.0013%と変わりなく,致命率では3.66%と11.30%でむしろ後者の方が高い.これはより重症なものが多くなつていることを示唆している.偶発症の種類では出血が最も高く,次いで穿孔となつている.予防としては内視鏡に関して正しい知識を持つたうえで,慎重に検査することが第一である.
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