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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻9号

1985年08月発行

特集 Iatrogenic Abdominal Trauma—その予防と対策

血管造影検査によるIatrogenic Trauma

著者: 草野正一1 村田晃一郎1 大内寛1 池田俊昭1 田所克巳1

所属機関: 1北里大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1067 - P.1073

文献概要

 過去Seldinger法で行つた腹部血管撮影4,417件を対象に血管撮影の合併症を調査,検討し,その対策を報告した.血管撮影と関連して死亡したのは2例で,これらの死因は,1例は肺塞血栓症,残りの1例は穿刺動脈からの大量出血であつた.血管造影検査翌日の安静臥床解除時に起こる肺塞血栓症に対する対策としては,1)穿刺部圧迫固定の早期解除,2)巨大骨盤腫瘤,心肺疾患などのhigh risk groupに対する抗凝固療法の強化,3)安静解除時の十分な監視が必要である.血液凝固機能が著しく低下した患者で,穿刺動脈からの出血を圧迫止血できない場合には,手術的止血が有効である.その他,血管内膜損傷,カテーテル自身のトラブル,下肢塞血栓症,造影剤による合併症などについても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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