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文献詳細

雑誌文献

臨床外科40巻9号

1985年08月発行

文献概要

シリーズ・がん集学的治療—いま,放射線療法は・1【新連載】

外科領域における放射線治療

著者: 望月幸夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線科

ページ範囲:P.1091 - P.1097

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はじめに
 放射線は電離放射線と非電離放射線の2つに大別されるが,放射線療法は一般には表1に示す電離放射線を用いて行う治療のことである.放射線療法は癌の根治的治療の一つであり,その適応症例にかなりの治癒率が得られているのはよく知られている.そして癌が諸治療法の共同作業で治療されるようになりつつある今日でも手術療法と並んで癌治療の大きな柱であることは変わりはない.現在,行われている放射線単独療法,及び放射線併用療法とその適応のあらましを表2に示す.一見してわかるように放射線療法は放射線治療単独あるいは手術や化学療法と併用され行われており,その場は多岐にわたつている.放射線治療には根治的な治療としての役割のほかに,腫瘍による疼痛や管腔臓器の狭窄の改善などを目的とする極めて広範囲な対症的治療の役割が存在することもよく知られている.これらのなかから今日,放射線治療が軸の治療として適応される疾患を表3に示す.放射線療法の特徴は癌の根治的治療手段になりうるということの他に形態と機能の保持において優れていることであるが,このような観点から放射線療法の適応を考えてみると,手術療法と同等以上の治癒が得られる疾患と,手術療法が不可能または不向きであるが,放射線療法でかなりの治癒が期待できるものとしてよいであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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