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臨床研究
腸閉塞の診断と治療成績—とくに生化学的診断法を中心に
著者: 山口晃弘1 蜂須賀喜多男1 磯谷正敏1 深田伸二1 渡辺英世1
所属機関: 1大垣市民病院外科
ページ範囲:P.97 - P.101
文献購入ページに移動イレウスをきたす原因にはさまざまなものがあり,その原因を正確に把握することが,治療成績の向上に反映されることは論を待たない.イレウスの診断には,通常臨床所見のほか腹部X線撮影がおもに行われているが,これらの検査でイレウスの病態を正確に診断することは困難なことも多く,単純性イレウスと複雑性イレウスの鑑別診断も容易でないことがある.近年単純性イレウスの治療に,long tube等を用いた非手術的減圧療法が盛んに行われているが,この治療法の選択にあたつても,単純性イレウスの正確な診断が必須で,複雑性イレウスに対し減圧療法を行い,手術の時期を失するようなことがあつてはならない.そこで大垣市民病院外科で過去10年間に手術を行つた小腸イレウス554例のうち,癒着ないし索状物によるイレウスと小腸捻転を対象として,その症例の概略と手術成績,さらに血液生化学検査の立場から,単純性イレウスと絞扼性イレウスの鑑別診断がどの程度に可能かを検討したので報告する.
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