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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻11号

1986年10月発行

文献概要

特集 胃癌手術の限界と合理化

Borrmann 4型胃癌における検討

著者: 冨士原彰1 山田真一1 磯崎博司1

所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.1515 - P.1521

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 過去7年間の教室におけるBorrmann 4型胃癌119例を対象に4亜分類し,臨床病理学的に検討した.1) Fc型:癌浸潤が胃壁全層かつ広範囲に及び,主として胃上部小彎を占居部位とする.2) FM型:胃壁全層かつ広範囲に浸潤するが,胃中部小彎を主占居部位とする.3) P型:主として胃下部を占居し,硬化が強く,狭窄を来たしやすい.4) L型:特徴的な巨大皺壁を伴うもので,癌が粘膜よりも粘膜下層以下を広くびまん性に浸潤する.いずれの型においても腹膜播種,リンパ節転移,他臓器浸潤は高度であるが,腹膜播種はFM型(61.1%),L型(55.5%)に多く,リンパ節転移はFM型(100%),Fc型(91.3%)と高率であるが,P型(79%)はそれに比して低率で,他臓器浸潤はFM型(66.7%)が高率でP型(43.8%)は低率であつた.しかしいずれの亜型も高度に進行しているものが多く,stage ⅡはP型の1例のみで,stage Ⅳが74.8%であつた.
 以上のことより,拡大手術のみでは,その治療向上は望めないと考えられ,より効果的な集学的治療の確立が急務である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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