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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻12号

1986年11月発行

画像診断 What sign?・42

Mesenteric and omental infiltration

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.1693 - P.1693

文献概要

 消化管の粘膜性病変はバリウムなどによる消化管造影検査によつて描出されるが,腸間膜あるいは大網の病変は腸係蹄の開離や腸管壁の鋸歯状の不整などの間接所見としてみられるにすぎない.CT検査はこれらの管外性病変を直接描出し,その正確な進展範囲を診断するために有用である.腸間膜あるいは大網はCT上,腸管と腸管の間隙に脂肪濃度の構造として描出されるが,これらに腫瘍性あるいは炎症性の浸潤がおこると,び漫性にエックス線吸収値の高い部分がみられるようになる.これらの変化をきたしやすい原因として,腫瘍性疾患では胃・膵臓などの消化管の癌,子宮・卵巣の癌,あるいは悪性リンパ腫などが挙げられ,塊状の腫瘤を形成する場合にはomental"cake"と称されることもある.また炎症性疾患としてはクローン病,膵炎,消化管穿孔などが挙げられる.なお正確な診断のためには,CT検査前に経口および注腸による消化管造影剤の十分な投与が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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