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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科41巻2号

1986年02月発行

雑誌目次

特集 Borrmann 4型胃癌—私の治療

スキルス胃癌の臨床病理学的特徴とその成因

著者: 廣田映五 ,   花城清史 ,   寒河江伸彦 ,   水谷保幸 ,   上野明彦 ,   板橋正幸 ,   平田克治 ,   丸山圭一 ,   北岡久三

ページ範囲:P.151 - P.160

 280例のスキルス胃癌切除例を対象とし以下の臨床病理学的特徴が得られた.20歳台から80歳台まで広く分布し,比較的女性に多い.原発巣は小彎M領域を中心に前後壁に分布し,巨大皺襞型は42%を占める.未分化型腺癌が多く高度の線維性間質反応と弾性線維の増生を伴う.免疫組織化学的にはPgⅡ抗体と胃癌抗体に陽性所見を認めているが,形態発生の機構がいまだ明らかでなく成因は不明である.

画像からみたBorrmann 4型胃癌の治療法の選択

著者: 三重野寛喜 ,   榊原譲 ,   箕浦宏彦 ,   陳春謀 ,   高橋俊毅 ,   比企能樹

ページ範囲:P.161 - P.168

 Borrmann 4型胃癌は極めて予後がわるいタイプの胃癌である.今回われわれは,術前の種々の画像診断の結果を綜合して,このタイプの胃癌の治療方針をどのように決定してゆくかを検討した.
 1974年7月より1982年12月までの間に北里大学で手術したBorrmann 4型胃癌71例について,切除標本,X線写真,内視鏡所見から,このタイプの胃癌の特徴をまとめ,更に術前の血管造影,CT,US等を分析することにより手術適応の有無,手術術式の選択について検討した.この結果,治療方針の決定には画像診断が極めて有用であることがわかつた.その際,特にBorrmann 4型胃癌の特徴を念頭において,画像診断を検討することが重要なことを強調したい.

Borrmann 4型胃癌の外科的治療—私はこうしている

著者: 古河洋 ,   平塚正弘 ,   大東弘明 ,   亀山雅男 ,   佐々木洋 ,   甲利幸 ,   石川治 ,   福田一郎 ,   今岡真義 ,   岩永剛

ページ範囲:P.171 - P.175

 1981年以降当科で根治手術したBorrmann 4型胃癌36例を,(Ⅰ)従来の胃全摘膵脾合併切除術17例,(Ⅱ) Appleby手術4例,(Ⅲ)左上腹部内臓全摘術15例に分けて比較した.1年生存率は(Ⅲ)群(83%)は(Ⅰ)群(71%)より良好であり,再発形式では(Ⅰ)群(浸潤硬化型腹膜69%,播種型腹膜23%,血行8%),(Ⅱ)群(浸潤硬化100%)にくらべて(Ⅲ)群は浸潤硬化型腹膜がなかった(播種型100%).左上腹部内臓全摘術はBorrmann 4型胃癌に対して有効な手術法と考える.

Borrmann 4型胃癌の外科的治療—私はこうしている

著者: 平山廉三 ,   三島好雄 ,   松村寿太郎

ページ範囲:P.177 - P.182

 未分化型癌がびまん性浸潤したBorrmann 4型胃癌では,担癌胃と癌波及臓器の広範囲切除と徹底したリンパ節郭清,癌性腹膜炎の予防・治療対策が必要である.
 胃癌手術時,胃近傍の‘anatomical boundary’が判然としない理由からそのリンパ節郭清操作が『過度and/or不足』に終始するとされたが,embryological zygosisを参考にして解析された胃周囲筋膜の層構築の所見はBorrmann 4型胃癌手術に資す.それに基づき術式を解説した.

Borrmann 4型胃癌の外科的治療—私はこうしている

著者: 小川健治 ,   矢川裕一 ,   大谷洋一 ,   榊原宣

ページ範囲:P.183 - P.187

 Borrmann 4型胃癌において,開腹時,絶対非治癒切除となる因子を持つ症例(多くはstage Ⅳ)では,その治療成績向上を外科手術に求めることは困難である反面,治癒切除が可能な症例(多くはstage Ⅲ)では,適切な外科手術を行えばその向上は期待できると思われる.著者らは後者に対する手術術式として左開胸開腹による胃全摘および下部食道切除術を採用し,膵尾・脾の合併切除,食道の十分な切除,第3群リンパ節の完全郭清などを行い,癌巣の十分な摘除と広範なリンパ節郭清を目指している.その具体的な手術手技について紹介する.

Borrmann 4型胃癌の集学的治療—私のプロトコール—手術+温熱療法

著者: 前田迪郎 ,   古賀成昌 ,   浜副隆一

ページ範囲:P.189 - P.193

 1965年から1983年までの胃癌切除例1,497例中Borrmann 4型胃癌が184例(12.3%)を占めた.このうち,治癒切除は76例(41.3%),非治癒切除は108例(58.6%)であつた.非治癒切除症例における非治癒となつた因子,治癒切除症例における再発様式は,いずれも腹膜播種が圧倒的多数であつた.したがつて,Borrmann 4型胃癌の治療成績向上のためには,腹膜播種に対する治療,あるいは予防対策が重要と考えられた.われわれは腹膜播種による非治癒切除症例に対しては,mitomycin Cを併用した持続温熱腹膜灌流(CHPP)をくり返し,また,治癒切除症例に対しては,腹膜播種の予防として術直後にCHPPを行い,それぞれに遠隔成績の向上がみられた.

Borrmann 4型胃癌の集学的治療—私のプロトコール—手術+免疫・化学療法;とくに術前療法の有用性について

著者: 磨伊正義 ,   上野雅資 ,   高橋豊 ,   沢口潔 ,   上田博 ,   荻野知己

ページ範囲:P.195 - P.200

 Linitis plasticaで代表されるBorrmann 4型胃癌は特異な生物学的悪性度を示し,予後も不良である,過去10年間に当教室におけるBorrmann 4型癌は79例(治癒切除22例,非治癒切除40例,単開腹が17例)を数えた.治癒切除例の術後累積生存率をみると,3生率35%,5生率10%と低く,治療の困難を示唆している.一方宿主側の免疫能を末梢血NK活性でみたところ,Borrmann 4型胃癌では,他の進行癌と較べ,明らかな低下をみている.そこでOK−432を併用した術後免疫化学療法を行い,その効果をretrospe—ctiveに検討したことろ,治癒切除例における50%生存期間が22ヵ月(対照群は6ヵ月)と明らかな生存期間の延長をみた.最近著者らは術前に免疫化学療法(昇圧癌化学療法下FAM療法+OK 432腫瘍内注入)を試み,その有効性を確認しており,その概要を紹介した.

Borrmann 4型胃癌の集学的治療—私のプロトコール—手術+免疫・化学療法

著者: 峠哲哉 ,   弘野正司 ,   野宗義博 ,   新本稔 ,   服部孝雄

ページ範囲:P.201 - P.204

 Borrmann 4型胃がんについて,予後,術後免疫化学療法,制がん剤感受性について,他のがん型と比較検討すると,Borrmann 4型胃がんにおいても,MMC,PSK,FT−207併用による術後補助免疫化学療法の有用性が示された.Borrmann 4型胃がんは制がん剤に対する感受性も低く,治療の困難性がうかがわれるが,進展形成あるいは免疫学的背景を考慮して,血漿交換療法などの積極的な治療の導入も必要であろう.

Borrmann 4型胃癌の集学的治療—私のプロトコール—手術+内分泌化学療法

著者: 北岡久三

ページ範囲:P.205 - P.208

 著者は,国立がんセンター病院において,スキルス胃癌のうち性ホルモン依存性に発育し,tamoxifenによつて発育抑制をうけるものが存在することを明らかにし,女性のスキルス胃癌に補助内分泌療法を施行した.
 成績:1)Open trial(1980〜82):切除44例のうち,TAM(+)21例の5生率は20.4%で,治癒切除8例のそれは55.6%であり,対照群に比し有意に良好であつた.1979年までの成績の約2倍に向上した.2)二重盲検比較試験(1983〜84):切除26例のうち,TAM(+)14例の2生率は77.1%.非治癒切除10例のそれは80.0%で,対照群7例の22.2%に比し有意に良好であつた.
 以上より,スキルス胃癌の補助療法として内分泌化学療法は効果的であつた.

カラーグラフ 胆道疾患の外科病理・7

Adenomyomatosis

著者: 武藤良弘 ,   上原力也 ,   名嘉梧平

ページ範囲:P.147 - P.149

病理組織学的診断基準
 胆嚢のadenomyomatosisはRokitansky-Aschoff sinus(RAS)の増殖による壁肥厚を示す疾患と考えられる.胆摘胆嚢症例の95%以上にRASが存在し,平均的胆嚢では1cm2内に1個のRASがみられる.本症を疾患として確立するにはある程度以上のRASの増殖と壁肥厚が不可欠で,そこで著者らは"組織標本上,1cm内に5個以上のRASが増殖し,その結果,3mm以上の壁肥厚をきたす病変"と定義した.

クリニカル カンファレンス

Borrmann 4型胃癌をどうするか

著者: 柵瀨信太郎 ,   榊原宣 ,   小川一誠 ,   島津久明

ページ範囲:P.210 - P.222

 経験豊富な消化器専門医でも,Borrma—nn 4型胃癌の早期発見は,はなはだ困難であると言われている.その発育様式がセミの一生に譬えられた如く,地上に出て(壁外に出て)発見された時は,その殆んどが進行した状態で,その治療は難渋を極める.
 今回のカンファレンスでは,呈示されたふたつのケースを中心に4人の碩学に今,行い得る"Borrmann 4型胃癌"治療の最前線をお話し合いいただいた.

原典を繙く・12

Mirizzi症候群(その2)—Diagnostic Des Obstructions Incomplètes Non Calculeuses Du cholédoque. Leur traitement par la cystico-duodénostomie

著者: 石川功

ページ範囲:P.223 - P.225

十二指腸を介した胆汁の自由な排出を確保する誘導手術
 胆摘に際しては,終始一貫して胆嚢前庭部(頸部あるいは漏斗部)と胆嚢管を慎重に取り扱い,これらを注意深く剥離する.このようにすれば,前庭部に嵌頓した結石あるいはHeister弁内に嵌入した小結石は,ほとんど常に容易に摘出することができる.
 本法により,術中胆道造影を容易かつ正確に実施するための確かな可能性が得られ,また,総胆管の機能的なすなわち非結石性通過障害が存在する場合には十二指腸への胆汁誘導路となる漏斗状導管部が温存されることになる.とくに,本法により肝・膵機能障害をもたらす胆汁うつ滞ならびに胆石生成や炎症の遷延を将来惹起する原因を除去できるという原理を認めるならば,本法は非常に困難な問題を解決することとなると私は考える.

プラクティカル チューブオロジー・3

血液を逆流させない三方活栓やプラグの使い方—動脈カテーテルの手元側のシールの仕方

著者: 長谷川博

ページ範囲:P.227 - P.227

 三方活栓でLuerロック付きのものがある(例トップ社製).これを用いてUro-Hepa液を流しながら活栓レバーを動脈カテーテル側に廻すのが動脈カテーテルの手元側のシールにはもつとも安全である.但し,三方活栓は「大きくて邪魔」というきらいがある.
 市販のプラグだけ(例 テルモ社製INJECTION PLUG)を動脈カテーテルにつけると,三方活栓よりもちいさくてすむが,余程注意しないと逆流の危険が大きい.理由はふたつ,気泡と針穴もれである.気泡はゴムキャップのかげに潜んでおり,見ようにも見えない.したがつて著者は注射筒につけた.26 1/2 Gの針をゴムキャップにきわめて浅く刺し、空を向けてUro-Hepa液を徐々に押し出して気泡の浮上に心掛けている.こうしてプラグの口までUro-Hepa液を盛り上がらせ,動脈カテーテルの針元にはめ込み,ピストンを押しながら針とキャップから抜去をすると逆流する余地がない.

文献抄録

消化器外科術後における経腸栄養法と完全静脈栄養法の比較

著者: 黒田達夫

ページ範囲:P.228 - P.228

 術前術後の栄養管理法の進歩は,術後合併症の減少をもたらした.近年,技術的にも,経腸栄養や完全静脈栄養がより安全に施行されうるようになり,侵襲時の患者における側鎖型アミノ酸の効果等,内容的にも進歩がみられた.栄養投与経路として,経腸栄養法と完全静脈栄養法があるが,両者を適切に比較した報告は少ない.本論文では手術後の管理における穿刺空腸瘻栄養法と完全静脈栄養法についてprospectiveに比較研究を行つた.
 対象 シンシナティ大学メディカルセンターにて,腹部手術を行つた15人の患者を対象とし,完全静脈栄養群(以下TPN 群)8例と穿刺空腸瘻カテーテルを挿入した経腸栄養群7例にわけた.両群とも投与カロリー,蛋白量は同量とし,術翌日から7〜10日目まで継続し,諸項目を測定した.両群ともに下痢を含めて合併症を認めなかつた.

My Operation—私のノウ・ハウ

胃癌に対する胃全摘術

著者: 武藤輝一

ページ範囲:P.231 - P.237

適応と手術
 胃癌に対する胃全摘術の適応は施設によつて著しく異なるものではないが,細部については異なるところがある.癌が胃の上部(C),上中部(CM),上中下部(CMA)にあるときに行われるが,癌が胃の上部に限局し,しかも漿膜への浸潤もみられない場合には噴門側胃切除術の施行されることが多い.癌が胃の上部に限局し,しかも漿膜浸潤のみられない場合には幽門上下のリンパ節への転移のみられることはほとんどないからである.
 癌が隣接臓器である膵に浸潤している場合は勿論のこと,浸潤はなくとも脾動脈幹リンパ節及び脾門リンパ節の確実な郭清のために膵・脾合併切除(膵体尾部切除と脾摘除)の施行されることが多い.脾摘については,脾門リンパ郭清のため脾摘が必要であるとする意見と,脾をできるだけ温存して免疫能の保持をはかろうとする意見とがあり,未だ意見の一致をみていない.現在これについてのrandomized studyが本邦ではじめられたばかりであり,5〜6年後には結論が出るものと思われる.従つてここでは膵・脾合併切除を行う胃全摘術について記述する.

画像診断 What sign?・35

"Cobblestone" pattern

著者: 佐藤豊

ページ範囲:P.239 - P.239

 クローン病は小腸の非特異的炎症性疾患のなかで最も頻度の高いもので,1932年Crohnらにより回腸末端炎として報告されたが,現在では口腔より肛門に至る消化管のいずれの部位にも起こることが知られている.消化管の炎症は肉芽腫形成性であり,粘膜下にはじまつて全層におよび,更に腸管膜に進展する.組織学的に,浮腫,潰瘍,および線維化がみられ,これらの変化が単独であるいは正常腸管をはさんで多発性に(skip lesion)存在し,病変が長期間存続する場合には腸管の狭窄や瘻孔を形成する.
 小腸の造影所見はこれらの組織学的変化を反映し各種の所見がみられるが,"cobblestone" patternは縦横に走る浅い線状の潰瘍と,その間にとり残された浮腫性の粘膜によつて形成される敷石状の像であり,管腔はスパスムにより狭くなり,その伸展性は失われる.

シリーズ・がん集学的治療—いま,放射線療法は・7【最終回】

Pancoast型肺癌の組織内照射

著者: 森田皓三 ,   高木巌

ページ範囲:P.241 - P.244

はじめに
 Pancoast型肺癌の定義1)は難しく,神経症状なく肺尖部に原発する肺癌も含んでいる報告も多い2-4).本報告では肺尖部末梢肺に原発し,胸壁直接浸潤のために患側の肩から腕に及ぶ疼痛を主とするPancoast症候群の内のいくつかの症状をともなうT3肺癌とする.この疾患は原発性肺癌の1〜3%を占める.従来,この疾患は発育が緩徐で,肺門・縦隔リンパ節転移及び遠隔臓器転移がすくないといわれて来たが,日本では組織学的にも扁平上皮癌よりもむしろ腺癌とくに低分化腺癌が5)高率を占め,転移頻度が高い.このことが日本では局所的にも完全切除が難しいこととあいまつて,この疾患の予後を不良としている.
 Pancoast型肺癌の中でも尺骨神経領域の疼痛,知覚異常などの症状のあるものは,X線単純写真で第一・二肋骨根部や第一,二胸椎の融解像をともなうのが普通であり,尺骨神経障害のない症例にくらべ完全切除の可能性は著しく低いものとなる.このような症例に対して,本施設では,1975年8月から192Irシードアセンブリーによる組織内照射を,手術療法と併用して施行し,その局所制御率の向上を図つている8,12).以下にその手技および結果を報告する.

Topics・2

NMR imaging(MRI)の臨床応用—頭頸部,胸部,腹部(除肝胆膵脾)

著者: 宮川昭平 ,   眞野勇 ,   吉田英夫 ,   五島仁士

ページ範囲:P.245 - P.249

頭頸部のMRI
 頭蓋内や脊椎管内の描出はMRIが最も適した部位であるが,脳神経外科や整形外科の領域に入るので省略する.
 上咽頭や副鼻腔は,矢状面や冠状面の断層像から頭蓋底との関係を容易に把握できるので,MRIのよい適応である.

臨床報告

特発性食道破裂の1例

著者: 山口佳之 ,   西山正彦 ,   松坂俊光 ,   藤永裕 ,   寺岡広昭

ページ範囲:P.251 - P.253

はじめに
 特発性食道破裂は,比較的稀な疾患ではあるが極めて重篤な経過をとることが多く,早急に適切な処置を施さなければ救命困難である1-4).本邦でも年々報告が増加し,多くの症例の検討から,その早期診断と早期外科的処置の重要性が認識されてきた1-4)
 今回,われわれも特発性食道破裂の1例を経験し,早期手術にて救命しえたので,若干の文献的考察を加えて報告する.

乳癌骨転移例における高カルシウム血症クリーゼの1治験例

著者: 塚田昭一 ,   豊田精一 ,   相馬剛

ページ範囲:P.255 - P.258

はじめに
 乳癌根治術後,腰椎転移をきたし,両側卵巣・副腎摘出術を施行し一時寛解するも,再び,多発性骨転移と,原因不明の昏睡を伴い,再燃した症例を経験した.検索の結果,高カルシウム血症クリーゼと判明し,hydroco—rtisone,carcitoninによる治療で劇的に改善し救命し得た.この症例に対し文献的考察を加えて報告する.

膝窩動脈外膜嚢腫の1治験例—CT,超音波検査による術前診断可能性について

著者: 斎藤敏明 ,   宮本康二 ,   森義雄 ,   乾博史 ,   加藤正夫 ,   味元宏道

ページ範囲:P.259 - P.263

はじめに
 膝窩動脈外膜嚢腫は稀な疾患で,本症の診断には血管造影が必須の検査であるが,術前に本症を診断するには困難なことが多い.われわれは最近,術前にCT及び超音波検査にて左膝窩動脈に嚢腫の存在を認め,術前診断が可能であり,手術により治癒した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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