文献詳細
臨床報告
Cantrell症候群の1例
著者: 吉田節朗1 加藤哲夫1 蛇口達造1 半田真一1 萱場広之1 小山研二1
所属機関: 1秋田大学医学部第1外科
ページ範囲:P.365 - P.368
文献概要
Cantrell症候群は,1958年Cantrellら1)により報告された胸腹壁形成不全で,臍帯ヘルニア,胸骨下部欠損,横隔膜部分欠損,心膜部分欠損および何らかの心奇形を伴う奇形群である.その後Duhamel2)はCantrell症候群の成立過程に関し,胎生学的解釈を試み,胎生3〜4週頃に腹壁発生の原基として生ずる4枚の皺壁のうち頭側皺壁の形成不全により,これら一連の胸腹部発生異常は説明可能とした.
本症候群は比較的稀であり,1982年の山本3)の集計によると,本邦例は30例に過ぎない.
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