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カラーグラフ 胆道疾患の外科病理・10
早期胆嚢癌
著者: 吉田奎介1 白井良夫2 川口英弘2 大村康夫2 武藤輝一2 内田克之3 鬼島宏3 渡辺英伸3
所属機関: 1新潟大学医学部附属病院手術部 2新潟大学医学部第一外科 3新潟大学医学部第一病理
ページ範囲:P.535 - P.537
文献購入ページに移動早期の胆嚢癌の診断能向上にはその肉眼形態の特徴を明らかにすることが前提である.現在まで臨床側からの早期胆嚢癌報告例はポリープ様隆起性病変を示すものが多い1)のに対し,病理側の検討では早期胃癌の分類でいう表面型を呈するものが大多数を占め2,3),大きな食い違いがみられる.これは画像診断法の病変検出能が表面型には及ばないことを反映するものと思われる.今後表面型をどう診断していくか,またその進行癌への進展過程を明らかにしていくことは緊急の検討課題である.当面,画像診断で術前に確診することの困難な病変が多いことから,胆嚢摘出時水際で見落しの防止に努めなければならない.すなわち,胆嚢摘出術を行う外科医にとつて早期の胆?癌の肉眼形態の理解は極めて重要である.以下に典型的な所見を示す代表例を呈示する.
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