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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻5号

1986年05月発行

文献概要

特集 甲状腺癌の診断と治療

この診断法でどこまでわかるか—穿刺細胞診

著者: 鳥屋城男1

所属機関: 1東京都立大久保病院外科

ページ範囲:P.559 - P.563

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 穿刺吸引細胞診は外来で簡単に繰り返しでき,かつ安全な検査法である.しかしながら,穿刺,標本作製,読みの段階のいずれかにおいてミスがあれば誤診につながる.
 採取される材料は組織に近いので癌の組織型の判定までできるのが穿刺吸引細胞診の優れた点である.組織型により診断率に差があり,乳頭癌は嚢胞性変性を起こしたものを除けばほぼ診断できる.濾胞癌は60.3%の正診率であり,疑いを含めると80%弱の診断率であつたが,最も細胞診断のむずかしいタイプである.未分化癌は素早く診断できるので有用性が高い.悪性リンパ腫はmixed typeをのぞけばほぼ診断できる.髄様癌は特徴ある細胞像を呈するので診断は可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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