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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻5号

1986年05月発行

文献概要

特集 甲状腺癌の診断と治療

術式,治療法をどうするか—私はこうしている—未分化癌の治療

著者: 的場直矢1 高屋潔1 谷村清明1

所属機関: 1仙台市立病院外科

ページ範囲:P.587 - P.591

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 過去12年間に10例の甲状腺宋分化癌を経験した.いずれも巨細胞(大細胞)癌に属し,男女比1:1.5,平均年齢67.3歳であつた.来院までの期間は1週間から5カ月に及ぶが,いずれも急速な増大がみられた。8例に切除を行い,主としてADMを中心とする化学療法,5例に放射線治療を併用しているが,最近の1例を除き,すべて最長11カ月(平均5.5カ月)で死亡している.死因は局所再発によるものが多かつた.最近の治療法として,アンギオテンシンⅡによる昇圧化学療法,CDDP治療などを行つたが,いずれも効果を明らかにすることは出来なかつた.今後の方針としては,穿刺吸引細胞診で診断後緊急的に化学療法を行い,出来れば手術し,術後の放射線,化学療法の併用を行いたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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