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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻5号

1986年05月発行

文献概要

特集 甲状腺癌の診断と治療

術式,治療法をどうするか—私はこうしている—髄様癌

著者: 宮内昭1 高井新一郎2 隈寛二3

所属機関: 1香川医科大学第二外科 2大阪大学医学部第二外科 3隈病院

ページ範囲:P.593 - P.598

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 自験甲状腺髄様癌の術前診断率は遺伝性群では1975年以前33%,1976〜1980年86%,1981年以降100%であり,診断がより困難な散発性群ではそれぞれ13%,30%,83%といずれの群でも年代毎に術前診断率は向上している.とくに穿刺吸引細胞診による向上が著しい.術前診断された初回手術例の遺伝性群17例,散発性群17例に施行した術式(甲状腺切除範囲と郭清範囲)を示し,術後の血中カルシトニン値から手術の根治性を検討した.リンパ節転移が4個以上の症例では術後のカルシトニン値が正常化する率は13%と低い.遺伝性群では甲状腺は必ず全摘する.散発性群の甲状腺切除範囲については色々の意見がある.縦隔郭清の意義,放射線療法,制癌剤療法についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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