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外科医の工夫
食道吻合部狭窄に対するバルーン・ブジー拡張法について
著者: 山根哲郎1 相良幸彦1 山口俊晴1 竹田靖1 小島治1 藤田佳宏1 高橋俊雄1
所属機関: 1京都府立医科大学第一外科
ページ範囲:P.635 - P.639
文献購入ページに移動胃・食道癌術後の吻合部狭窄は比較的稀な術後合併症であるが,原発巣切除により術前に訴えていた嚥下障害が一度消失したにもかかわらず再び狭窄による嚥下障害が発症することにより,患者にあたえる精神的不安は計り知れないものがある.従来,術後吻合部狭窄にたいしては硬性ブジー,ラミナリア拡張法,バルーン・ブジー,内視鏡的高周波焼灼法などの方法がとられてきたが,いずれもその効果の不確実さや手技の複雑さ,さらに合併症などが問題となつていた.
今回,われわれは最近経験した6例の食道吻合部狭窄例にたいしてCohen-Gray type balloon dilatation catheter(図1)を用いて良好な結果を得ることができたので本法の手技および結果について報告し,さらに吻合部狭窄の発症の原因について考察を加えた.
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