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臨床研究
消化管内脂肪乳剤注入によるCT像の有用性—特に癌の壁外進展の検索について
著者: 松井昭彦1 岡島邦雄1 冨士原彰1
所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科
ページ範囲:P.641 - P.647
文献購入ページに移動コンピュータ断層撮影法(CT)は近年めざましい普及をとげ,超音波診断法(US)とともに腹部外科領域における画像診断上不可欠の存在となりつつある.その対象も,最近は実質臓器のみならず管腔臓器にまで拡大し,主に消化管悪性腫瘍の他臓器浸潤の検索に用いられている8,10).しかし腹部CTの画像は,CT値の近似した臓器が隣接している場合両者の識別が困難であるという欠点をもち,そのため膵頭部や骨盤内など多臓器が密接して存在する部位での腸管の同定はしばしば困難であった.この問題に対処するため,われわれは陰性造影剤として市販の10%脂肪乳剤を消化管内に注入してCT撮影を行い,この方法が消化管悪性腫瘍における壁外進展,他臓器浸潤の判定に有用であるという結果を得たので術中所見と比較検討して報告する.
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