icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻7号

1986年06月発行

画像診断 What sign?・37

Aphthiod Ulcer

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.1016 - P.1016

文献概要

 クローン病のX線所見のうちで最も早期にみられるものの一つはaphthoid ulcerと称される微小潰瘍であり,大腸,小腸,胃病変の初期に単独で,あるいは進行病変に合併してみられる.二重造影によつて描出されたaphthoid ulcerはumbilicationを伴つた小隆起としてとらえられ,病理的には肉芽腫性の炎症により拡張したリンパ濾胞の中心部の粘膜上皮の潰瘍と考えられている.aphthoid ulcerの描出はクローン病の早期診断に重要であり,大腸クローン病と潰瘍性大腸炎の鑑別に役立つ.すなわち正常粘膜を背景に典型的なaphthoid ulcerがみられる場合は,大腸クローン病の可能性が高い.またクローン病の治療として腸切除を行う際に,aphthoid ulcerの存在する腸管を切除範囲に含めることは,その再発を防ぐ意味で重要である.aphthoid ulcerはカンジダ症,アスピリンやエタノールによる食道炎,胃炎および,Yersiniaによる腸炎などでもみられることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら