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臨床研究
微小乳癌症例の検討
著者: 西村令喜1 長尾和治1 松田正和1 庄嶋健1 竹口東一郎1 中垣悟1 佐野収1 河野一朗1 守安真佐也1 濱田哲夫2
所属機関: 1熊本市民病院外科 2熊本市民病病理
ページ範囲:P.1035 - P.1039
文献購入ページに移動乳癌の発生率は生活様式の欧米化が進むにつれて高くなつているが,同様に死亡数の増加も著しい.乳癌の治療成績向上のためには早期発見が最も重要な因子の一つであることはいうまでもない.1971年GallagerとMartin1)により定義されたMinimal Breast Cancer(以下,微小乳癌)の概念は,ほぼ完全に治癒し得る乳癌として提唱されたもので非浸潤乳管癌,非浸潤小葉癌,および,直径0.5cm以下の浸潤癌としている.
今回我々は,非浸潤癌と浸潤癌で割面最大径0.5cm以下の乳癌を微小乳癌と定め,比較的早期と考えられる2.0cm以下の浸潤癌を0.6〜1.0cm,1.1〜1.5cm,1.6〜2.0cmの3群に分け,その臨床的事項,各種診断法の所見,病理学的事項等について比較対比することにより,微小乳癌の定義,診断,治療に関する問題点について検討した.
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