文献詳細
臨床報告
回腸inflammatory fibroid polypの1例—本邦報告例の検討
著者: 村上義昭1 友安敏博1 津村裕昭1 河毛伸夫1 中井志郎1 角重信1 増田哲彦1 小浜幸俊2 梶原博毅3
所属機関: 1広島記念病院外科 2広島記念病院病理 3広島大学医学部第1病理
ページ範囲:P.1091 - P.1095
文献概要
消化管に発生する好酸球浸潤を伴つた原因不明の病変は,好酸球性肉芽腫として知られているが,本疾患は,一般的には,inflammatory fibroid polyp(IFP)とeosinophilic gastroenteritis(EG)の2つに大別されている.本疾患の発生部位は,胃が大部分を占めており,小腸発生例はきわめて稀である.本邦においても,1975年中村ら1)の報告以来,少数例の報告を見るのみである.今回,われわれは,回腸に発生したIFPの1例を経験したので,本疾患の分類,名称などについて,われわれが渉猟しえた本邦におけるIFP小腸発生例20例の文献的考察とあわせて報告する.
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