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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻8号

1986年07月発行

特集 重症患者の輸液・栄養

食道癌術中・術後の輸液・栄養

著者: 安藤暢敏1 篠沢洋太郎1 大島厚1 大高均1 田村洋一郎1 棚橋達一郎1 北野光秀1 阿部令彦1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1129 - P.1135

文献概要

 食道癌手術により循環動態は大きく変動し,手術操作が広範囲に及ぶため術直後には予想以上にhypovolemiaとなり,高齢者や術後腎機能低下例ではその傾向がより顕著である.さらに2病日後半から4病日にはrefillingのために逆にhypervolemiaとなり,肺内シャント率が増加して低酸素血症が遷延する.したがつて術中は12 ml/kg,hr,0〜1病日には2.5〜3.0 ml/kg,hrの十分量の輸液を行い,3〜4病日には1.5ml/kg,hrに輸液量を制限する.術後のみならず術中からも血漿製剤を併用し,術直後の血漿膠質浸透圧の低下を防止する.4病日には蛋白代謝が同化相へ移行する可能性があり,この時期にfull strengthへcalorie upするTPN管理により,窒素平衡を早期に正へ転換し得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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