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文献詳細

雑誌文献

臨床外科41巻8号

1986年07月発行

特集 重症患者の輸液・栄養

多臓器不全患者の輸液・栄養

著者: 平澤博之1 佐藤二郎1 稲葉英夫1 菅井桂雄1 橘川征夫1 田畑陽一郎2 小高通夫2 磯野可一2

所属機関: 1千葉大学救急部・集中治療部 2千葉大学第二外科

ページ範囲:P.1151 - P.1157

文献概要

 多臓器不全(MOF)患者のエネルギー代謝をindirect calorimetry法で測定したが,MOF患者はhypermetabolicであつた.しかしその程度は基礎代謝量の1.4〜1.5倍であり,従来の報告より低値であった.一方累積エネルギー代謝が−10,000 kcalを越えた例は全例死亡したので,エネルギー消費量にみあうエネルギー量を投与するのは不可欠であり,その方法としては中心静脈栄養法(IVH)が第一選択である.
 しかし動脈血中ケトン体比からみて肝細胞内エネルギー代謝が低下している例では,投与された糖が利用されない可能性があり,肝細胞内エネルギー代謝を改善する必要がある.また腎不全をも合併した例では持続的血液濾過(CAVH)を併用しIVHを行うべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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