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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻10号

1987年09月発行

文献概要

カラーグラフ 乳腺疾患の外科病理・9【最終回】

原発不明腋窩リンパ節転移癌と乳癌

著者: 山科元章1

所属機関: 1埼玉医科大学第一病理

ページ範囲:P.1463 - P.1465

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 癌転移による腋窩リンパ節腫脹を初発症状とする乳癌がまれに認められる.このような乳癌は,多くの場合潜在性で,なかには盲目的な乳切術によつてはじめて原発癌巣がみつけられる例も少なくないと考えられる.しかし,腋窩リンパ節に転移をきたす癌は,乳癌以外にも,甲状腺・肺,消化管・卵巣・腎などの腫瘍が知られており,さらにリンパ節に転移をおこしながら剖検によつても原発巣を発見できないいわゆる原発巣不明癌症候群(CUPS,carcinoma with unknown primary syndrome)を形成する例も皆無ではない.したがつて,腋窩リンパ節に乳癌様の悪性腫瘍が診断されても,患側の乳切術が即座に勧められる訳ではなく,臨床病理学的に系統的な原発巣の探索がまず追求されなくてはならない.
 本稿では,このような腋窩リンパ節転移腫瘍に対して,原発巣を乳癌と診断するために役立つ特徴的な病理組織所見を図説し,臨床・病理両面からの協調のとれたアプローチを強調する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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