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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻10号

1987年09月発行

特集 癌術後follow upと再発時の対策

甲状腺癌

著者: 宮内昭1 隈寛二2

所属機関: 1香川医科大学第2外科 2隈病院

ページ範囲:P.1471 - P.1475

文献概要

はじめに
 甲状腺の悪性腫瘍には乳頭癌,濾胞癌,髄様癌,未分化癌および悪性リンパ腫があり,それぞれ腫瘍の性質も悪性度も著しく異なつている.したがつて,術後follow upのやり方,合併療法および再発時の対策もそれぞれ大きく異なつている.本論文では,甲状腺悪性腫瘍の90%以上を占める乳頭癌と濾胞癌に焦点を絞つて述べることにする.
 これらはいずれも,濾胞細胞由来の癌であり,症例ごとに程度の差はあれ,多少とも母細胞の性質,例えば,サイログロブリンの産生,無機ヨードの集積などの能力を有している.また,甲状腺刺激ホルモン(TSH)の刺激に反応性を示すものが多く,このような腫瘍はTSHレセプターを持つていると考えられている1),したがつて,TSHによつて増殖も促進されると推測されており,このためやや過剰の甲状腺ホルモンを投与し下垂体からのTSHの分泌を抑制する抑制療法1)が試みられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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