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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻11号

1987年10月発行

文献概要

特集 Interventional Radiologyの現況

肝癌—放射線科の立場から

著者: 打田日出夫1 大石元1 松尾尚樹1 吉村均1 大上庄一1 阪口浩1 深井泰俊2

所属機関: 1奈良県立医科大学放射線科 2奈良県立医科大学第一外科

ページ範囲:P.1623 - P.1634

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 肝癌の治療におけるinterventional radiologyの現況について,肝動脈塞栓術(TAE)を施行した肝細胞癌704例(Lp-TAE 528例を含む)と転移性肝癌107例(Lp-TAE 55例を含む)の経験に基づいて,最近本邦で普及し,国際的にも注目されているLp-TAEを中心にして概説した.Lp-TAEは抗癌剤混入リピオドールを肝動脈から注入後にゼラチンスポンヂ(GS)で塞栓する抗癌剤の徐放効果と阻血効果を期待したTAEであり,従来の抗癌剤とGSによるTAEよりも良好な治療成績が得られている.Lp-TAE後のCTは微小娘結節の診断に優れ,切除例では主腫瘍のみで娘結節にも高率に壊死がみられ,非切除例では,累積生存率の向上(肝細胞癌:1年60%,2年43%,3年28%)が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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