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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻11号

1987年10月発行

文献概要

特集 Interventional Radiologyの現況

門脈系疾患—放射線科の立場から

著者: 黒田知純1 吉岡寛康2 徳永仰2 細木拓野2 丸川太朗2 中村仁信3 小塚隆弘2

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院中央放射線部 2大阪大学医学部放射線医学教室 3大阪大学微生物病研究所附属病院放射線科

ページ範囲:P.1649 - P.1656

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 門脈系疾患に対するinterventional radiologyの代表的なものとして第一に,胃・食道静脈瘤に対する塞栓術があり,同部からの出血に対して効果をあげている.しかし,本法には施行後の再出血の問題があり,再出血を防ぐためには待期手術あるいは,内視鏡下硬化術などの施行が必要となることが多い.次に,肝内門脈塞栓術は,近年,急速に普及した肝癌に対する肝動脈塞栓術の欠点をおぎなうために開発され,その効果は,切除例の検討では確認されているが,長期的な本法の有効性は,まだ確定したものではなく,今後の検討課題である.これらに比べて,比較的長い歴史をもつ脾機能亢進症に対する脾動脈塞栓術は,脾膿瘍や脾破裂などの重篤な副作用が臨床的には問題になる.最近は,これを防ぐために部分的脾動脈塞栓術が行われているが,まだ十分に普及したものにはなつていない.したがつて,これらの適応に関しては,それぞれの方法の利点を十分に理解した上で,個々の症例について慎重な検討を加えて判断することが必須である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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