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臨床研究
食道再建後の吻合部縫合不全および狭窄への対策—とくに大胸筋皮弁による前壁再建について
著者: 平井敏弘1 三好雪久1 大田垣純1 山下芳典1 向田秀則1 峠哲哉1 新本稔1 服部孝雄1 宮本義洋2
所属機関: 1広島大学原医研外科 2広島大学医学部整形外科
ページ範囲:P.1841 - P.1845
文献購入ページに移動食道再建は,通常胃管が用いられているが,胃管作製法や吻合法にさまざまな工夫がなされ,吻合部の哆開したいわゆるmajor leakageも5%前後に減少したという報告が多い1-5).しかしながら,縫合不全,特にmajorieakageは,頸部における唾液の流出により.周囲の皮膚および皮下組織に炎症を生じ,疼痛,悪臭および経口摂取の遅延をきたし,患者にとつては極めて不愉快な合併症である.またわれわれは,下部食道噴門がんに対する食道再建も従来は頸部で6)最近では胸骨後の上方で行つている7).少数例とはいえ,やはり縫合不全および吻合部狭窄は軽視すべからざる合併症である.
これらの縫合不全例あるいは吻合部狭窄例に対して,われわれは,吻合部の後壁は温存して.前壁のみを大胸筋皮弁で再建する方法を用い,良好な結果をえたので報告する.
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