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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻13号

1987年12月発行

文献概要

特集 外科的感染症と抗生物質の選択

腹膜炎,腹腔内膿瘍

著者: 酒井克治1 藤本幹夫2

所属機関: 1大阪市立大学医学部第2外科 2市立藤井寺市民病院

ページ範囲:P.1913 - P.1918

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 腹膜炎の治療は外科的療法が優先される.化学療法は全身性感染への波及を防止することが第1目標であり,適切な外科治療と全身管理が行われて初めて,化学療法の効果が期待される.腹膜炎の起炎菌は穿孔部位によつてある程度一定の傾向が認められる.例えば,胃・十二指腸穿孔ではグラム陽性菌が,大腸穿孔ではグラム陰性菌,特にE.coli, Klebsiella, P.aerrginosa, B.fragilisが多い.したがつて,菌不明のまま治療を開始せざるをえない場合には,これらのことを参考にして抗生剤を選択する.薬剤の投与は静脈内投与が主体であり,腹腔内投与は補助療法である.抗生剤の投与量,投与期間は病態によつて自ずから異なってくるが,乱用は避けるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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