文献詳細
臨床報告
卵巣の漿液性嚢胞腺腫に類似した後腹膜嚢胞腺腫の1例
著者: 宮城道雄1 武藤良弘1 篠崎卓雄1 甲斐田和博1 上原力也1 戸田隆義2
所属機関: 1琉球大学医学部第1外科 2琉球大学中央検査部病理
ページ範囲:P.1987 - P.1991
文献概要
後腹膜腫瘍の多く(80〜90%)は悪性リンパ腫や種々の肉腫などの悪性腫瘍であつて,嚢胞性腫瘍は全体の3〜6%を占めるにすぎず,その大部分の症例が良性嚢腫と報告されている1-3).最近,筆者らは後腹膜嚢腫の臨床診断で嚢腫摘出術を行い,術後の病理学的検査にて卵巣の漿液性嚢胞腺腫に類似した組織像を示す漿液性嚢胞腺腫と診断された後腹膜嚢腫の症例を経験した.このような症例は極めて稀で,かつ嚢腫の発生起源を検討するのに興味ある例と考え,文献的考察を加え報告する.
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