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臨床研究
血液透析患者の重複癌
著者: 船木治雄1 磯本徹1 大田早苗1 広瀬脩二1 保坂茂1 須藤睦雄2 遠藤純子2
所属機関: 1国立王子病院外科 2国立王子病院内科
ページ範囲:P.239 - P.244
文献購入ページに移動重複癌に関する論文は,いままでに実に数多くみられる,論文によつてその対象が臨床例であつたり,剖検例であつたりいろいろであるが,統計的なものをテーマにしたものが多く,重複癌発生の原因を主題にした論文は少ない.
われわれが経験した24例の重複癌患者の中に3例の血液透析患者が含まれており,この3例は血液透析中癌に罹患して手術した患者9例の中の3例で,その割合は33%となる.一般に癌手術患者の中での重複癌の占める割合は3%前後とされているので,血液透析中の担癌患者における重複癌の頻度は,一般の人に比べて約10倍の高頻度ということになる.
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