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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻3号

1987年03月発行

特集 消化管のEmergency—穿孔・破裂

消化管穿孔の対策—胃癌穿孔

著者: 平山廉三1 仁瓶善郎1 浜田節雄1 井石秀明1 三島好雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第2外科

ページ範囲:P.325 - P.329

文献概要

 胃癌穿孔の臨床病理的特徴を列記すると①50歳以上の男性に多い.②穿孔は胃中部,前壁に多い.③癌型肉眼分類は3型あるいは限局潰瘍型で一部が中間型や浸潤型を呈するINFβやγのものである.
 開腹時所見によつても胃癌穿孔の診断が困難な症例が多いため,胃穿孔では穿孔部辺縁や胃周囲リンパ節の術中迅速病理検査をルチーンに行つて正診率の向上につとめる.
 汎発性腹膜炎というhigh riskの緊急状況下にあるため,「手術侵襲」と「癌根治性」の間でバランスのとれた手術が要求されるが,治療の原則はあくまでその背景に存在する胃癌切除であり,極力胃切除につとめる.それが不可能なとき穿孔部閉鎖を行い全身状態の回復をまつて2期的胃切除を実施する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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