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特集 頸部腫瘤の臨床
頸部腫瘤診断治療上の問題点
著者: 奥田稔1
所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.427 - P.431
文献購入ページに移動 頸部腫瘤の病因は多彩である.化膿性リンパ節炎,頸膿瘍,フレグモーネなどを除き漫然たる抗生物質の投与の続行は慎しむべきである.それより膿瘍では切開,化膿性リンパ節炎でも原疾患の発見とその治療が大切である.診断がつかないからといつて無計画,無謀な生検も避けるべきで,生検の前にやるべき検査を行い,正しい時期,方法,準備のもとに生検を行うべきである.原疾患の発見は特に悪性腫瘍の転移が疑われる際には大切で,そのためには耳鼻咽喉科医の診察を求めるべきである.さらに胸,腹部その他全身の検査も必要である.
悪性腫瘍の頸転移は頸部腫瘤ではしばしばみられるが,治療には転移リンパ節をつまみとるのは不可で,原発巣,転移巣とそのリンパ路,リンパ節を一塊として摘出しなければならない.
悪性腫瘍の頸転移は頸部腫瘤ではしばしばみられるが,治療には転移リンパ節をつまみとるのは不可で,原発巣,転移巣とそのリンパ路,リンパ節を一塊として摘出しなければならない.
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