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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 頸部腫瘤の臨床 診断のすすめ方

生検の方法と病理診断

著者: 松村祐二郎1 工藤庄治1 山下弘之1 中島格2

所属機関: 1国立病院九州がんセンター頭頸外科 2(現)九州大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.461 - P.467

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 1.頸部腫瘤とくにリンパ節の生検は,極めて難しい問題を含んでいるが,比較的簡単に考えられ取扱われている向きがある.2.種々の疾患を考慮し,少しでも悪性疾患の疑いがある時は,確定診断のあと直ちに治療に移れる準備を整え,あまり日にちをおかず,むしろ積極的に開放生検し,細胞診,組織診を行うことをすすめたい.3.生検は複数の腫大リンパ節が触れる時は、病変を十分示すと考えられる最も大きいリンパ節全体を,被膜ごとに摘出するよう努め,手術操作は特に丁寧に行い,リンパ節に対して無理な圧迫を加えないよう心掛けねばならない.4.悪性腫瘍の場合,術中,リンパ節腫瘍割面のスタンプ細胞診は,ほぼ満足すべき正確な診断が得られ,迅速組織診と相俟つて即刻治療開始のできる利点がある.5.原発巣不明頸部転移癌の取扱いは,各科の専門医に相談し原発部の発見に努めるが,頭頸部領域癌の頻度が高いことを忘れてはならない(80%法則)12).6.針生検は現在のところ,確実な診断を得るのに十分な方法とはいえず,特定な場合を除き行うべきでないと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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