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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 頸部腫瘤の臨床 診断と治療の実際

頸膿瘍

著者: 村上泰1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.477 - P.484

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 頸部膿瘍には,リンパ節炎から起こるものが多いが,他に,食道,甲状腺などの頸部固有臓器感染に由来するもの,歯根.歯肉,頸椎,扁桃,唾液腺,耳などの炎症から波及するものがあり,また,space infectionとして口腔咽頭周囲から頸部を経て縦隔にまで及ぶ可能性を持つものもあつて,早期に適切な処置を行うことが必須である.基本的治療は外科的ドレナージと抗生剤投与で,起炎菌の同定が非常に大切である.ただし,多くは複数の化膿菌による混合感染で,薬剤耐性となつているものが多いから,2〜3剤の併用投与が必要なことがむしろ多い.ドレナージのための最善のルートを知つておくことも大切で,神経麻痺などの合併症をきたしてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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