文献詳細
臨床報告
小児期生体弁使用における1経験
著者: 長見晴彦1 山内正信1 原田俊郎1 岡田圭司1 中山健吾1 山田公弥1 羽根田紀幸2 揖野恭久2
所属機関: 1島根医科大学第1外科 2島根医科大学小児科
ページ範囲:P.1135 - P.1138
文献概要
小児期弁膜症に対する外科治療において,生体弁置換術を施行した場合,遠隔期に弁機能不全を経験することは少なくない.弁機能不全の原因として,弁の器質的変化による報告は多いが,弁の機能的な原因で発症した報告は稀である.
今回,著者らは,先天性僧帽弁閉鎖不全症に対して,Ionescu-Shiley弁を用い弁置換術を施行したが,術後約1年目に弁機能不全症状をきたしたため,Björk-Shiley弁を用い再弁置換術を施行した.しかし,摘出したIonescu-Shiley弁は全く器質的変化が存在せず,その原因について若干の文献的考察を加えて報告する.
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