icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻8号

1987年07月発行

特集 いわゆる消化器早期癌の術後再発—その実態と対策

早期大腸癌の初回治療方針と術後再発

著者: 石沢隆1 島津久明1 山田一隆1 春山勝郎1 牧角寛郎1 有本之嗣1 桂禎紀1 中野静雄1 長谷茂也1 鮫島隆志1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1187 - P.1194

文献概要

 大腸早期癌の治療方針と術後再発について,自験例の成績と本邦文献上の報告に基づいて述べた.m癌の治療はpolypectomyまたは局所的切除で十分であり,これらの術後に再発はほとんどみられない,あつても局所再発のみである.IIa+IIc型やIIa型のsm癌の一部には,最初から腸切除が行われる場合もあるが,多くのものではpolypec-tomyや局所的切除を行つたのち,転移・再発のrisk factorが明らかになれば腸切除を行う方針で臨んで差し支えない.しかし,リンパ節転移が4〜8%,術後の局所再発が2〜8%,遠隔(血行性)転移が1〜3%の頻度にみられていることは十分に注意すべき点である.sm癌の治療成績も概ね良好であるが,risk factorをもたないリンパ節転移陽性例1.3%と血行性転移例1〜3%,あわせて3〜4%の症例の転移再発は防止できていない現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら