臨床外科42巻8号

1987年07月発行

特集 いわゆる消化器早期癌の術後再発—その実態と対策

小膵癌の進展状況と術後成績

著者： 斉藤洋一¹ 山本正博¹ 奥村修一¹ 大柳治正¹

所属機関： ¹神戸大学医学部第1外科

ページ範囲：P.1215 - P.1223

文献概要

　膵癌では小さな膵癌の時期からすでに浸潤性発育やリンパ節転移，神経浸潤や血管侵襲が高頻度にみられ，小膵癌すなわち早期癌とすることには問題がある．全国膵癌登録集計による小膵癌158例の解析では，Stage分類を構成する各因子とも予後を規定する重要な因子と考えられ，手術成績向上のためにはこれら小膵癌の進展様式の十分な理解と適切な手術式の施行が必要である．