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文献詳細

雑誌文献

臨床外科42巻9号

1987年08月発行

特集 乳癌診療のUp-to-date

Editorial:乳癌ははたして全身病か

著者: 阿部令彦1

所属機関: 1慶応大学医学部外科

ページ範囲:P.1317 - P.1318

文献概要

 従来,腫瘍細胞はリンパ管内を通つて所属リンパ節に転移を来たすので,腫瘍とリンパ節をen blocに切除することが癌の手術と考えられ,今でもそのように信ずるものが多い.
 しかし,最近では,この考えに懐疑的な論文もみられる.Fisherらは腫瘍細胞の播種の仕方に特にorderly patternはないと述べ,腫瘍細胞はリンパ管内で腫瘍栓を形成して拡がるので,このような場合にリンパ節はbarrierとして役立たず,癌と宿主との関係からみれば,リンパ節転移の存在は遠隔臓器への転移原となると考えるよりも,転移の発育が宿主の抵抗力に勝つていることを示す1つの指標にすぎず,切除可能な乳癌でもsystemic diseaseと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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