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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻10号

1988年09月発行

特集 高位胃潰瘍治療の問題点—外科から,内科から

高位胃潰瘍治療の実際—外科から

著者: 松原要一1 田宮洋一1 中村茂樹1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1443 - P.1449

文献概要

 著者らの施設で1961年以来27年間に外科治療を行った高位胃潰瘍は183例で,全胃潰瘍手術例の26.1%であった.高位胃潰瘍に対する術式としては分節胃切(92例),胃亜全摘(53例),噴切(27例),胃全摘(10例)の順に施行されていた.著者らは原則として分節胃切を第一選択としているが,その切除範囲は潰瘍を含めた約30%であり,また術前の胃液検査で最高酸濃度が50mEq/lを超える場合迷切を併施している.迷切は選近迷切を主として行い幽門形成術は付加していない.術後成績は胃亜全摘に比べ良好で,患者も多くが満足しているが,潰瘍再発が5例(5.4%)にみられ2例に再手術が行われ,また大きな問題として癌の発生が5例(5.4%)にみられ,すべて進行癌で予後は不良であった.分節胃切はすぐれた術式で症例の条件に応じて選択されるべき術式であるが,術後の潰瘍再発,癌の発生に十分注意し,長期定期的な内視鏡検査が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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