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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻10号

1988年09月発行

特集 高位胃潰瘍治療の問題点—外科から,内科から

高位胃潰瘍治療の実際—内科から

著者: 岡崎幸紀1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1479 - P.1484

文献概要

 胃の高位潰瘍は,特殊な潰瘍とみられがちであるが,病態生理学的には,他部位,とくに体中部・下部潰瘍とほとんど差異はない.強いていえば,背景粘膜に萎縮の高度の例が多いこと,逆に,胃底腺領域の潰瘍があること,出血の比率の高い傾向があること,である.したがって,高位潰瘍への対処は通常潰瘍と基本的には同じである.
 背景胃粘膜の萎縮が高度な潰瘍に対し,H2—blockerをファーストチョイスとすることに疑問の向きもあるが,臨床の記録はH2—blockerがこの部位の潰瘍にもすぐれた治癒率を示している.現実には,他のすべての治療法に抜きんでて,H2—blockerが潰瘍治療に貢献している.ただし,潰瘍治療には,再発予防と難治性潰瘍の問題が残っている.H2—blocker登場後の現在でも,これが,われわれの直面する最大の問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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