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文献詳細

雑誌文献

臨床外科43巻10号

1988年09月発行

文献概要

Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・16

外傷性肝破裂に対する肝切除術

著者: 加藤紘之1 田辺達三1 金谷聡一郎1 菱山真2

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科 2八雲町立病院外科

ページ範囲:P.1507 - P.1511

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はじめに
 肝損傷はしばしば致命的であり,多発損傷の中でも優先されるべき緊急処置である.術前診断が重要であることはもちろんであり,特に障害の程度の判定は手術適応の判定,緊急度の指針として正確にとらえられる必要がある.
 その点でUSおよびCT装置の普及は多くの貴重な情報を提供してくれることから,今後救命率の向上に重要な役割を果すものと思われる.CTは肝損傷部位の同定,程度を示すばかりでなく,胆道損傷および他臓器損傷をも示唆するところから,肝外傷時の必須の検索手段ともいえる.またUSは,血腫形成例に対するドレナージの適応の判断および実施に有益であり,非侵襲的救命手段につながる.
 一方,一刻を争う重篤な損傷すなわち下大静脈損傷などが疑われる場合には,理学的所見を確実にチェックして緊急開腹のタイミングを失わないことが重要になってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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