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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科43巻11号

1988年10月発行

雑誌目次

特集 外科医のためのMRIの臨床

MRIの原理と装置

著者: 飯沼武

ページ範囲:P.1569 - P.1574

 MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略であって,正確にはNuclear Magnetic Resonance Imagingというべきである.この方法は主に,人体の水の1H(プロトン)の映像化が可能となることが明らかになって,急速に普及を始めた新しい医用画像の1つである.MRIは静磁場とそれに重ね合わせる傾斜磁場を利用して,1HからのNMR信号の位相および周波数情報を得ることによって求められる.また,得られる画像のコントラストは人体組織の緩和時間の差によってつけられており,加える高周波パルスによって大きく変化するのが特徴である.

脳脊髄腫瘍

著者: 小林直紀 ,   小野由子 ,   柿木良夫

ページ範囲:P.1577 - P.1583

 脳脊髄腫瘍のMRIによる診断は,脳実質の変形や水頭症などの占居性病変による脳構造の二次的変化および病変の信号強度異常によってなされる.信号強度はプロトン密度,T1T2緩和時間および血流によって決定される.病変に水成分が多いとT1T2緩和時間が延長し,MRI画像においてそれが反映される.この水成分に対する敏感さは,MRIがX線CTをはるかに上回っている.脂肪組織および出血はT1T2緩和時間を短縮させ,水分量によって規定される信号強度に加えて腫瘍の信号強度に影響を与える.Gd-DTPAも同様にプロトンの緩和時間に影響を与え,MRIのコントラスト増強剤として有望視されている.

脳血管病変

著者: 井上佑一 ,   福田照男 ,   八幡訓史

ページ範囲:P.1585 - P.1592

 水素原子密度,水素原子の縦緩和時間(T1),横緩和時間(T2),流れを画像に反映する核磁気共鳴画像(MRI)法を脳血管病変(脳出血,脳梗塞,脳血管奇形,モヤモヤ病)に応用し,そのMRI所見について述べた.
 脳出血については血腫内の赤血球に含まれるoxyhemoglobinがdeoxyhemoglobin, methemoglobinさらにhemosiderinへと変化するにつれて血腫のT1,T2時間に変化が起こり信号強度が経時的に変化していくこと,脳梗塞については発症後からの経時的なMR像の変化,すなわち病変部の信号強度の変化を病理学的変化と対応させて述べた.MRの特徴の一つである"流れ"を描出することについては,脳血管奇形やモヤモヤ病で異常血管が無信号(黒く)として描出されることを示した.

心疾患のMRI

著者: 西村恒彦

ページ範囲:P.1593 - P.1602

 心臓領域におけるMRIは,造影剤や核種の使用なく心内腔と心筋壁が明瞭に区別して描出され,しかも断層の自在性から死腔なく心形態の観察が行える.先天性心疾患や心臓腫瘍の検出は心エコー図と同様に行え,しかも病巣の部位,拡がりが立体的に把握できるため,心臓外科医に有用な診断情報を提供する.虚血性心疾患では,梗塞の同定が行えるとともに,造影剤なしにバイパスグラフトの開存の有無を検索できる.さらに,高速イメージングにより弁逆流,心機能評価も可能になってきた.今後,心臓移植における拒絶反応の同定に本法が活用される可能性もある.本論文で呈示した多数の症例をみながら,その有用性について理解してほしい.

MR-CTで描出可能な大血管病変

著者: 藤井恭一 ,   古川達也 ,   水野喜和子 ,   松本直人 ,   原嶋治彦

ページ範囲:P.1603 - P.1616

 X線CTでみられる大血管病変は,主として横断面像である.しかし血管造影と異なり,血管壁を含めた内腔が描出される特長がある.
 MR-CTでは,X線CTと同様に血管壁を含めた内腔が描出できるが,X線CTにおいては撮影方向がX線管の回転方向により規制されるのと異なり,電子的に自由な断面の撮影が可能である.このため,血管の三次元的な任意な断面を選択して撮影することができる.
 このため,胸部および腹部の大血管を,それぞれの血管の走行にあった方向で描出することができるので,0.1 Tesla,Asahi Mark Jで撮影した症例を供覧し,時として血管造影に近い情報が得られることを述べた.

肺・縦隔腫瘍

著者: 安河内浩 ,   奥畑好孝

ページ範囲:P.1617 - P.1623

 胸部疾患についてのMRIの利用の現状を文献および自験例を中心に検討した.
 胸部疾患を代表するものとして肺癌,胸腺腫,食道癌を例示して,その各々についてMRI像を説明するとともに,肺癌については従来よりのX線単純写真や断層,CT検査と比較しての現状での不利な点を,縦隔についてはリンパ節転移の有用な点を,食道については外膜外浸潤についての将来性を述べた.

肝・胆道系疾患

著者: 板井悠二

ページ範囲:P.1625 - P.1632

 肝,胆道疾患におけるMRIの有用性をCTと対比しつつ略記した.MRIは造影剤を用いずに肝腫瘤の検出能,性状診断にかなり有効で,ことにT2延長の顕著な海綿状血管腫において有用性が高い.造影剤としてGd-DTPAの治験が開始され,スキャン時間の短縮とともにdynamic MRIも可能となった.肝癌ハイリスク群に認められた小腫瘤が海綿状血管腫,嚢胞なのか癌なのかの鑑別が的確に行え,無駄な侵襲性検査が省略できる.びまん性疾患にあっても鉄に鋭敏で,また肝硬変の再生結節の一部を直接描出できる.
 胆道系にあっては有用性が限られ,CTをしのぐ情報に乏しいが,門脈周囲異常信号など臨床研究の成果も発表されはじめている.

膵疾患のMRI

著者: 小西淳二 ,   中野善久 ,   西村一雅 ,   富樫かおり ,   伊藤亨 ,   藤澤一朗 ,   野間恵之 ,   南俊介 ,   左合直 ,   山下敬司 ,   柴田登志也 ,   奥村亮介 ,   安里令人

ページ範囲:P.1633 - P.1640

 膵疾患においては,MRIは現時点では診断の主たるモダリティではない.膵癌では癌と膵組織のT1,T2の差が大きく異ならないことに加えて,十分なコントラストを得るための撮像条件が選択できないことによる.ただ現在でも,肝転移,リンパ節転移,比較的稀な腫瘍の描出にはX線CTより優れている.また,急性膵炎やヘモクロマトージスなどの代謝性疾患にも有用である.これらの病変は正常膵に比較してT1,T2とも明らかに延長しており,エコー時間が十分に長くなくてもコントラストが得られることによる.血管系の描出に関してはMRIでは無信号として描出する方法と高信号として描出する方法があるが,いずれの方法でもX線CTより有用である.

骨盤領域のMRI

著者: 椎名丈城 ,   宇野公一 ,   三好武美 ,   有水昇 ,   井原真都 ,   斉藤典男 ,   更科広美 ,   奥井勝二 ,   守田文範 ,   植松貞夫

ページ範囲:P.1641 - P.1647

 MRIはコントラスト分解能に優れ,矢状断や,冠状断等の自由な裁断面が得られることより,骨盤内各臓器の立体的把握が容易である.また骨盤領域は呼吸や心拍による画像劣化の影響を受けにくく,MRIの良い適応となる.直腸癌のMRIは,他臓器浸潤の判定に有用であり,術前病期診断に果たす役割は大きい.術後の局所再発診断にはT2強調画像が有用であり,瘢痕組織と再発腫瘍のある程度の鑑別が信号強度から可能である.婦人科,泌尿器科領域の悪性腫瘍の病期診断にもMRIは有用であり,鑑別診断を含めた骨盤内臓器の診断において,MRIがX線CTを凌駕しつつあるのが現状と思われる.

カラーグラフ Practice of Endoscopy 食道内視鏡シリーズ・Ⅰ

食道色素内視鏡検査法

著者: 吉田操 ,   室井正彦 ,   門馬久美子 ,   榊信宏

ページ範囲:P.1563 - P.1565

 はじめに
 食道の色素内視鏡検査は急速に普及し,特に食道癌の早期診断には欠くことのできない診断法となった.内視鏡用補助診断法としての色素法は当初,癌の診断を目的にしておらず,食道胃粘膜接合部の観察をするために用いられた.しかし本邦においては,癌の早期診断への応用が早くからなされて急速に進歩普及を示した.特に,X線検査ではスクリーニング効果の期待できない食道上皮内癌や粘膜癌の診断には本法はかかせない.食道癌においては,粘膜下層癌の予後が胃癌の場合と異なり不満足な結果を示した.このため食道癌の早期発見の目標は上皮内癌や粘膜癌に移行しつつある.これを可能にしたのが色素内視鏡検査法である1).色素法は食道癌のみならず食道炎や異型上皮などの病態の理解にも有用である.本稿では食道色素法の手技および内視鏡所見の解釈について述べる.

表紙の心・10

オテル・ディユ病院のデュピュイトラン像

著者: 大村敏郎

ページ範囲:P.1640 - P.1640

 前回医学アカデミー会長の一覧表を出して,外科医の名を2〜3拾いあげておいた.その1人ギヨーム・デュプュイトラン(Guillaume Dupuytren,1777-1835)を今回取上げて紹介したい.写真はパリのオテル・ディユ(Hôtel Dieu)病院の中庭に立っている彼の像である.
 パリのオテル・ディユは7世紀からあるフランス最古の歴史を持つ病院である.オテル・ディユ(神の宿)とは大寺院に附設された巡礼や地域の人々のうち不幸な者を収容する宗教的な施設として発足したもので,17世紀までは修道士や修道女が奉仕をし看護をしていたが,ここには医師や外科医は常勤していなかった.

研修医セミナー 一般外科手術記録の書き方【新連載】

Lesson1 一般的注意

著者: 小越章平

ページ範囲:P.1649 - P.1651

Ⅰ.手術記録記載のポイント
 1.時間の経過に従って,ありのままに記載していく。
 2.しかし,主観は大いに入れてよい。例えば,剥離が困難であった,出血傾向があるら しい,止血が困難であった,全く姑息的な手術(palliative operation)に終わった,縫 合部に余裕がなかったなど。

老医空談・2

人間的看護—私のために

著者: 斉藤淏

ページ範囲:P.1652 - P.1653

外科病棟婦長(N・A)さんの質問その1
 "人間的看護について,私にお聞かせ下さい.実は,こんど来られた外科研修医(S君)が全人的医療の実習をしたいと言われるので,考えさせられているのです."
 N・Aさんは200床の総合病院に勤務してから大凡20年のベテランである.外科患者(P)やその家人達との応対には馴れている.70床の外科病棟のリーダーでもあるから,S君が他の外科看護婦達(N)と一緒になって努めたら,きっとよい成績を修めてロテートできるだろう.

文献抄録

腫瘤を触知しない乳癌の意義とステージ分類

著者: 内海俊明

ページ範囲:P.1655 - P.1655

 現在用いられている乳癌のステージ分類にはマンモグラフィー所見のみで発見される乳癌についての正確な定義は含まれていない.われわれは腫瘤を触知しない乳癌をいかに分類し従来の方法で発見された乳癌と区別する必要があるかを決定することを目的として,腫瘤を触知しない,女性乳腺疾患1,059例に施行した1,132回の組織検査について,悪性疾患,腋窩リンパ節転移の頻度および多発性を検討した.1,132例の生検例の中で29.1%(330例)は悪性病変であり,190例が浸潤性乳管癌,13例が浸潤性小葉癌,81例が非浸潤性乳管癌,25例が微小浸潤性乳管癌,20例が非浸潤性小葉癌,1例が悪性カルチノイドであった.非浸潤癌と微小浸潤癌ではいずれも腋窩リンパ節転移をみとめなかった.しかし,腋窩リンパ節郭清を施行した167例の浸潤性乳管癌,浸潤性小葉癌の中で,32.9%に少なくとも1個の腋窩リンパ節転移をみとめた.集簇する石灰化を有する浸潤癌と腫瘤を触知しない乳癌の腋窩リンパ節転移の可能性は同等であった.
 このように臨床的潜在癌の腋窩リンパ節転移の頻度が高いので,腫瘍の大きさにかかわらず浸潤癌に"微小"という言葉を用いるには問題がある.非浸潤性乳管癌と微小浸潤性乳管癌は"微小"とすべきだが,触診所見にかかわらず,浸潤癌はマンモグラフィー上の大きさによりステージ分類がなされるべきと思われる.

座談会

新しい経腸栄養の時代を迎えて—現状と展望

著者: 碓井貞仁 ,   畠山勝義 ,   中島泰子 ,   岡田正

ページ範囲:P.1658 - P.1666

 司会(岡田) それでは座談会を始めたいと思います.
 最近,静脈栄養法,さらには経腸栄養法と外科栄養法がずいぶん進歩したことはご存じのとおりです.このような栄養治療の中で経腸栄養法はますます今後使用範囲が広くなり,その意義が高まりつつあるようです.ところがその反面,静脈栄養法に比べはるかに多くの各種経腸栄養剤が市販され,また現在も治験が続けられてきており,その使用法,適応につき必ずしも十分に理解されずに用いられているのが現状です.さらにまた,このうちのあるものは薬品として登録され,またあるものは食品として登録されている状況であり,したがって各施設によっては薬剤師が扱うべきなのか,栄養士が扱うべきなのか,非常に混乱をきたしています.また保険請求に関しても,薬品か食品かによってずいぶん異なってきますが,その問題も未解決です.さらに経腸栄養剤の今後のあり方のひとつとして,補食すなわち口から摂取するという意味で,味の問題が重要となってきそうです.従来の院内食との関係も,今後複雑に発展していきそうで,現時点でこれをどのようにクリアーしていくかは非常に大きな問題であります.

Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・17

肝部下大静脈閉塞症に対する下大静脈—右心房バイパス術

著者: 久保田宏 ,   村上忠司 ,   青木秀俊 ,   一色学 ,   赤坂伸之 ,   安田慶秀 ,   田辺達三

ページ範囲:P.1667 - P.1674

はじめに
 Budd-Chiari症候群を伴った肝部下大静脈閉塞症の手術目的は,肝静脈閉塞による肝機能障害や門脈圧亢進症による種々の合併症予防,ならびに下大静脈閉塞による下肢静脈のうっ滞を改善することにある.その手術適応にあたっては,一般状態の評価とくに肝機能ならびに出血傾向の評価,局所の閉塞範囲と血栓の有無,肝静脈の閉塞状態などを十分に検討せねばならない.
 肝部下大静脈閉塞症に対する手術方法は,それが膜様閉塞である場合には,用手膜破砕術,バルーンによる血管形成術が,また広範囲閉塞例に対しては,直接的な静脈血行再建が行われている.しかしながら,これらの手術は,術直後の成績は比較的良好であるが,再発することが多く,また,術中の出血,肝庇護など多くの問題点を残している.
 近年,抗血栓性に富み,圧迫閉塞を予防し得るリング付e-PTFE人工血管が開発されてから,広範囲閉塞例やcoarctation様狭窄に対し,この代用血管を用いて,下大静脈—右心房バイパス術による血行再建が行われる傾向にある.
 本稿では,下大静脈—右心房バイパス術の2自験例を呈示し,その術式ならびに問題点について述べてみたい.

最近の話題

人イヌ糸状虫症とその免疫診断

著者: 吉村裕之

ページ範囲:P.1675 - P.1679

 筆者ら(1984)はさきに日本における人イヌ糸状虫症(human dirofilariasis)の現況を,諸外国のそれらの症例との比較において,主として臨床病理学的観点から解説し紹介した.
 ところがその後肺イヌ糸状虫症(pulmonary diro-filariasis)の症例報告が相つぎ,その後のわずか3年有余の間に報告例数は2倍以上に達した.しかもなお筆者に問合せのための標本や症例(いずれも未発表)が10例近くになっている.さらに肺外寄生例(extra-pulmonary dirofilariasis)もまた追加報告がこの間に次々となされている.筆者は他の報告者に比べて症例経験の多いことから,最近特に臨床医の方々から現時点の現況と,開胸術という患者にとっての大きな侵襲を可及的さけるべき術前診断の有無またはその現状の説明を求められる機会が多い.

手術手技

臍ヘルニアに対するY字状皮膚切除法

著者: 安藤久實 ,   伊藤喬廣

ページ範囲:P.1681 - P.1682

はじめに
 臍ヘルニアはよく遭遇する小児外科疾患の一つであり,これに対する術式としては臍の下部または上部を円弧状に切開し,ヘルニア嚢処理・腹直筋腱鞘縫合の後,切開した皮膚を縫合するという方法が一般的に行われている1).しかし臍ヘルニアの臍は正常に比して大きく,かつ,腹壁より飛び出ている例が多いので,通常の手術方法では臍の大きさや形は術前とほとんど変わらず,また凹みも少ないものとなってしまう.臍の形といえども患児の後日受ける精神的影響は少なくない.ヘルニアの根治とともに,できるだけ正常に近い臍を作るべきと考え,小さくかつ凹みのある臍となる手術術式を考案したので報告する.

臨床報告

胃出血を繰り返した脾動脈狭窄症の1治験例

著者: 小松永二 ,   鈴木博孝 ,   喜多村陽一 ,   新井田正枝 ,   磯辺義憲 ,   羽生富士夫

ページ範囲:P.1683 - P.1686

はじめに
 繰り返す胃出血の原因として種々の病態が知られており,さらに近年,内視鏡検査や血管造影検査の進歩普及により,その発見や報告も増えている.最近われわれは,脾動脈狭窄により胃壁内血行異常を来し,これにびらんが加わって胃出血を繰り返した症例に,噴門側胃切除兼脾摘を施行し治癒せしめたので,その成因,画像診断,治療法につき若干の文献的考察を加えて報告する.

孤立性内腸骨動脈瘤破裂の2治験例

著者: 原陽一 ,   山家武 ,   杉山長毅 ,   吉野保之 ,   森尾哲

ページ範囲:P.1687 - P.1690

はじめに
 腹部大動脈瘤に連続する腸骨動脈瘤はしばしば経験するが,動脈瘤が腸骨動脈のみに発生する,いわゆる孤立性腸骨動脈瘤は比較的稀であり,そのなかでも,孤立性内腸骨動脈瘤は極めて稀な疾患である.最近われわれは,孤立性内腸骨動脈瘤破裂を2例経験したので,若干の考察を加え報告する.

胃癌に合併した黒色表皮腫の1例

著者: 山口由美 ,   牧野正人 ,   万木英一 ,   阿部重郎 ,   福庭克郎 ,   西川睦彦

ページ範囲:P.1691 - P.1694

はじめに
 黒色表皮腫は,皮膚の乳頭状増殖,色素沈着,角質増殖を特徴とする皮膚疾患で,中高齢者に発生した場合,高率に内臓悪性腫瘍を合併するといわれている1)
 今回,われわれは,胃癌に合併した黒色表皮腫の皮膚病変を術前,術後にわたって観察し得たので,ここに報告し,本邦における黒色表皮腫と胃癌の合併症例,78例につき若干の統計的考察を試みた.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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